いやはやなんとも、参政党躍進に対する諸方面の反応は興味深い。
当ブログでは、「参政党現象」と呼ぶこととする。
タレントだかコメンテーターだか知らないが、玉川徹という人物がいる。
ネットニュースで、この玉川の発言とそれに対する批判を読んでみた。
この玉川なる男は、左派のようだ。
参政党が議席を伸ばしたことが、意外であり、面白くなさそう。
正直に、「投票率が上がるのはいままではいいことだと思っていたけど、果たしてどうだろう」と本音を語っている。
つまり、玉川は「投票率が上がる⇒左傾政党の票が増える」と考えていたわけ。
ところが、現実には参政党が票を集めたことに驚き、「あれ、こんなはずじゃ、、、」と戸惑っているのがわかる。
玉川よ、あなたは驚くほどわかりやすい典型的なリベラルだな、ホントに。
さて、ここで、左派・リベラルの頭の中を「*」で以下に可視化し、当ブログが「⇒」でツッコミを入れてみよう。
*民主主義こそ最良の政体であると信じ込んでいる。
⇒そこには、衆愚政治(ポピュリズム)に対する警戒感がない。
⇒あのナチスが暴力ではなく、選挙(=民主政体の根幹)によって権力を握った事実に対する考察がない。
(1932年の選挙で、ナチ党は230議席を獲得し第一党となった。)
*「低い投票率=好ましくない」「高い投票率=好ましい」と、なんの根拠もないのに信じ込んでいる。
⇒1933年のドイツ総選挙で、ナチ党は288議席に躍進したが、この時の投票率は88・8%であった。
⇒今回の参院選投票率は、58・5%とのこと。
⇒「投票率が上がれば、左派の獲得票が伸びる」というのはリベラルの甘い幻想にすぎない。
*有権者が政治に関する豊富な知識を身につければ、民主主義は成熟し、良い結果(=左派にとって望ましい結果)が得られる。
⇒政治に関心がない層は、わざわざ関連情報に触れたりしない。
⇒多少関心を持つ層も、真偽不明のSNS情報に飛びついたり、動画作成者の思惑に影響されやすい。
⇒政治を真面目に研究した結果、民主主義を疑問視し、別の政体(例えば、エピストクラシー)に魅力を感じる者も出てくる。
*自分たちのような「意識の高い」左派・リベラルが正しい情報(=左派にとって都合がいいもの)を提供しなければならない。
⇒テレビの情報番組・ワイドショーを視聴する若者は少ない。
⇒お堅い書籍や論壇誌、新聞の社説などを読む層は国民の何%だろうか、5%?、3%?、1%?
(要は、保守系であれリベラル系であれ、内容のある情報に積極的にアクセスする人は少ないため、気負っても一人相撲)
⇒毎日の仕事に忙しい人々にとって、左派・リベラルの御高説を聞くヒマなどない。
大体、以上の「*」の部分が左派・リベラルの胸の内だ。
玉川の発言をもう少し紹介する。
⇒「今までと全然違うのは、選挙に行くという人は、政治とか選挙に関して基本的知識を持っている人が行っていたんですよ。それで大体5割くらいの人が行ってるという。ところが、まったく今までそういうものがない、学校だって教えないわけですから、近現代史教えないんだから。だからそういう風なことさえ知らない、与党と野党がどうなってるかも知らない、そういう人がSNSで初めてふれて、アルゴリズムで飛んできた、そういうふうな情報に触れて、そこに感化されて、行動を起こしたという人が相当数いるということなんですよね」
本人は、婉曲に発言しているつもりだろうが、リベラルとしてのホンネ、欺瞞、偽善がダダ洩れである。
要は、玉川はこう言いたいのだ。
⇒最低でも、与党と野党の政策の違いぐらい知っている人に選挙に行って欲しいんだけど。
⇒基本的な知識がない連中が投票すると、保守や右派に票が流れてしまうのか、こりゃ、大変だ。
⇒普段、政治に関心のない層には選挙に行ってほしくないなあ。
(=投票率が高ければいいってものじゃない、と今気づいたよ)
⇒学校で近現代史を教えろよ。
⇒参政党とか国民民主のSNSとかに影響されて投票するのは、情報弱者だ(=参政党とかには投票するな)。
⇒ユーチューバーの切り抜き動画なんか信じるなよ、もっと自分の頭を使えよ(=左傾政党に投票しろ)。
玉川に限らず、左派・リベラルの自称・識者やコメンテーターは、自分たちは意識が高く、一般庶民よりも高みにいると自惚れている。
換言すると、「進んだ」私たちが「遅れた」アナタたちを啓蒙してあげようと思い上がっているのだ。
これまで、左派・リベラルはさんざん、視聴者に向って「選挙に行きましょう。あなたの一票で政治は変わります」と繰り返し叫んできた。
そのリベラル層の願い通り、今回の参院選は、約6.5%投票率が上がった。
その結果は、皮肉にも、保守・右派政党の躍進となったのだ、左派の期待に反して。
玉川の「投票率が上がるのはいままではいいことだと思っていたけど、果たしてどうだろう」という発言を見て大笑いしたのは、当ブログだけではないだろう。
見事なまでに、リベラルのホンネ、偽善、欺瞞があふれ出ている。
玉川、そして他の左派・リベラルの皆さんよ、100%ホンネ剝き出しのセリフを吐いたらどうだい、「情報弱者は選挙に行くな。おまえらが投票するから参政党が大きな顔をしてるんだよ!」と。
いや~、それにしても参政党現象は本当に興味深い!
追記
くどいようだが、私は参政党の支持者でも党員でもない。
今回の参院選でも、個人候補者・比例ともに参政党には投票していない。
ただ、何度も書くように、参政党現象は非常に興味深い。
今後も、同党の動向を注視したいと思う。