自民党の西田議員の、いわゆる「ひめゆり発言」を巡って論争が続いているようだ。
最新のニュースでは、西田氏が発言を撤回し謝罪したとのことだ。
かなり大きく報じられているようなので、詳しい顛末はここに繰り返さない。
本記事では、西田氏への要望を中心に思う所を綴っていく。
◎政治家は個人ブログ主ではないのだから、発言は丁寧に、慎重に行うべきだ。
私のような個人ブロガーは、ごく少数の常連さん相手に勝って気ままなことを書き散らしているだけだ。
まだ、沖縄戦についての記事を作成していないが、仮にアップしたところで世間に与える影響などほとんどない。
だが、政治家は違う。
注目度も高く、批判にもさらされやすいため、失言は味方(=保守層)にもダメージを与える。
当ブログは保守だから、西田議員の歴史観や話の趣旨の大部分は理解できているつもりだ。
ただ、氏の言葉が足りないせいで、発言の一部を切り取られてしまうと、沖縄戦の惨状を認識していない冷血漢と見なされてしまう。
また、今回は事実関係においても確認不足があったようだ。
西田氏は謝罪会見において、問題の件は、ひめゆりの塔ではなくて平和記念資料館の展示のことであったと訂正している。
氏の言葉が正しいのならば、本人の記憶違いだったということ。
準備不足・勉強不足と揶揄されても反論できないだろう。
政治家は日々、自己研鑽に努めて欲しい。
◎普段から、自分の歴史観を明確に、わかりやすく提示すべきだ。
西田氏は、おそらく連合国による極東軍事裁判やGHQによる占領政策を否定的にとらえているのであろう。
換言すれば、「東京裁判史観」や「GHQによる日本人洗脳」によって戦前の日本が一方的に「悪」と規定されていると考え、それに反発しているのだろう。
保守には、西田氏の心中は十二分に理解できる。
ただ、公的に意見を述べる際には、自分には明白なことでも聴衆が共有していない可能性を考慮したうえで、話を組み立てなければならない。
だから、東京裁判やGHQの占領政策についての歴史事実をある程度、聞き手に伝えてから、自分の意見を表明した方がよかったのでないか。
そういう手順を踏まないと、誤解されるリスクがあることを西田氏は認識しておくべきだった。
なにしろ、戦後八十年が過ぎ、戦前・戦中の記憶はどんどん風化していく。
さらに、戦後の約七年間、日本は占領下においてGHQによる言論・思想統制を受けた。
この占領期の実情は、日本人のほとんどがよく知らないし、話題になることも少ない。
西田氏の歴史観に対して、日本人の一部(or半分?or大部分?)が違和感を覚えるであろう原因は、実は、この点にある。
◎日本人の一部はいまだに、GHQによる思想統制(=洗脳)の中にいる。
大東亜戦争に関する保守や右派の発言が受け入れられない理由の一つは、現代の日本人の多くがGHQの占領政策の内容をほとんど知らないからだ。
占領統治下の日本で、言論・思想統制が約七年間、行われたことは紛れもない事実である。
*CCD(民間検閲支隊)による言論検閲
*CIE(民間情報教育局)による日本人啓蒙(=洗脳)
*GHQによる公職追放
三つの「*」すべてについて、ある程度の知識を持つ日本人がどれほどいるだろうか?
10%?、5%?、3%?、、、もっと少ないかもしれない。
つまり、戦後から今日までの日本社会が、七年間もの占領政策の多大な影響下にある事実に気づいていない日本人が多いということだ。
GHQの目的は、簡単に言うと、戦後の日本人に「戦前の日本はすべて悪い」「連合国側の価値観はすべて正しい」と啓蒙(=洗脳)することであった。
ここまでを読んで「はて?」と思った人は、申し訳ないが、いまだにGHQの洗脳から解放されていない可能性がある。
今の日本は不思議な国で、事実を事実として述べただけで「右翼」とか「極右」とか分類されがちだ。
この奇妙な現象も七年間の占領期がもたらしたもので、また別稿で取り上げたい。
◎西田議員よ、今回の失点を回復するよう努力してほしい。
西田氏の発言は、保守の当ブログでも「ちょっと、言葉が足りない。揚げ足をとられても仕方がないかもしれない」と感じる程、不用意なものであった。
自分の不始末は、自分でしっかり後始末してもらいたい。
自分の歴史観を予備知識のない人にもわかるように、丁寧に言葉を尽くして説明する努力をしてほしい。
政治家なら、言葉のプロとなるべし。
今後の西田氏の言動に注目したいと思う。
追記
こういう記事は閲覧数が伸びないだろうな~、ハハハ。
宮崎のSなら、「小難しくて面白くない」と途中で読むのを止めるかもしれない。
後輩の酒井は、勉強熱心な地方議員だから、この程度の内容では物足りないだろう。
GHQの対日占領政策に関しては、改めて、記事を準備する予定だ。