日本初の女性総理・高市早苗氏を英BBCや米CNNはどのように報じたか、、、

日本憲政史上初めての女性総理が誕生した。
ここ数日、高市新総理関連の話題でもちきりだ、テレビもネットも。
そこで、海外メディアの報道はいかにと思い、BBCやCNNのニュースサイト(無料の分)を覗いてみたので、そこから両者の報道を少しばかり紹介してみたい。

BBCの記事は「Meet Japan’s drum-playing, Thatcher-loving first female prime minister」というタイトル。
忠実な訳ではなく、内容を大雑把に挙げていこう。

まず、高市氏の尊敬する人物はサッチャー氏であり、目標は日本のサッチャーになること。
予想通り、高市新総理を「右派、原文ではright」と位置づけ、移民に対する厳しい姿勢や女性問題に関して保守的な態度をとると報道。

ただ、高市総理の課題の一つとして、日本で急伸している極右勢力といかに対峙するのか、を挙げている。
ここでいう「極右」とは、もちろん参政党のことだ。
記事の中で「Sanseito」とハッキリと書き、高市自民は参政党に流れた保守票を取り戻そうとしていると指摘。

英BBCなりに、出身地や家庭環境等もしっかり取材しているようだ。
奈良生まれの高市氏が、日本に多い世襲議員ではないことを、「父親は会社員で母親は警察官だ」という形で読者に示している。

若き日の高市首相がバンド活動でドラムを担当し、激しい演奏中に叩き折ってしまうから、常に何組ものスティックを持参していたエピソードも添えている。
好きなヘビメタバンドは、「Iron Maiden」や「Deep Purple」で、今でも自宅にはドラムセットがあることも、、、

スキューバダイビングも趣味のひとつで、大の車好き、愛車はトヨタのスープラだった事実も紹介する。
ホント、真面目に調べているな、BBCも。

現在のイギリスでも、サッチャー政治に対する評価は様々であろう。
だが、日本初の女性総理がサッチャー信奉者であると聞けば、高市氏のイメージをある程度つかめるのではないだろうか。
人気バンド「Iron Maiden」「Deep Purple」という具体名も、イギリス人にはなじみ深く、印象に残りやすいと思う。

さて、米CNNの方も大体似たような内容だ。
BBC記事同様、故安部元首相の薫陶を受けたことや、靖国神社に何度も参拝した過去にも触れている。
同性婚反対の立場や選択制夫婦別姓導入に慎重である態度にも言及。

ただ、CNNの方は、公明党の離脱や、その後の維新との連立にもスペースを割いている。
また、片山さつき氏が財務大臣を務めることも報じているので、CNNの方がやや新しい記事のようだ。
え、ただ単に編集方針の違い?!

申し遅れたが、CNN記事は「Hardline conservative Sanae Takaichi elected Japan’s first female leader」とのタイトルだ。
興味のあるかたは、ネット検索して英文にあたってみてはいかがか。

BBCもCNNも、高市氏の生い立ちや趣味、これまでの経歴を主に紹介することに記事の大半を費やしている。
両者ともに、高市総理が世襲政治家ではないことを読者に伝えているのは、「日本の政治家=世襲」のイメージが欧米では一般的なのだろうか?

また、参政党を極右と見なし、その急激な成長ぶりも報じているのも二者に共通する。
どこの国のメディアも、右派を嫌う傾向があるから、警戒しているのだろうか。

ただ、BBCもCNNも誕生したばかりの高市政権に対しては、様子見というか、今後の動向を見守りたいようなニュアンスが伝わってくる。

記事の最後でBBCは、「自民党は日本の現在と未来のために自らを変革しなければならない。常に国益を最優先し、バランス感覚をもって国家のかじ取りを行う必要がある」という趣旨の高市発言を引用している。

CNNの方は、「高市内閣は、この政権が自民党支持率アップへの決定打になることを期待しているが、近年、短期間で首相が次々に交代している現実を思えば、日本の「鉄の女」(=高市氏のこと)が権力の座にとどまるためには、迅速に成果を出す必要がある」とのコメントを最後に置き、記事を締めくくっている。

さて、高市政権の行く末はどうなりますか、、、