愛知県豊明市「スマホ条例」可決! それほど目くじらを立てなくてもいいのでは?!

愛知県豊明市議会が、9月22日、「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する」条例案を可決した。
案の定、ネット民の反応はほとんどが否定的な意見。
ホント、芸がない連中だ。

やれ、「自由を奪う権利があるのか」だの、やれ、「行政が市民の自由な生活に口出しできるという発想が錯誤しており、あたかも首長は全市民の家長でもあるかのような傲慢だ。中露朝じゃあるまいし」だの、、、
なんだか非難の仕方が大げさに思えてしかたがない。

豊明市長や市議会を攻撃している人たちにききたい。

⇒豊明市HP上の「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例案の可決について」の全文に目を通しましたか?
⇒スマホ条例案可決に際して、五項目からなる附帯決議も可決されている事実に気づいていますか?
⇒そもそも、罰則規定のない理念条例、要は「努力目標」なんだから、嫌なら無視すればいいと思いませんか?

この条例の批判者の中に、割と有名でコメントの切れ味が鋭いネットニュース編集者がいるのだが、その人物も「個々人の趣味嗜好や思想の自由という観点がスッポリと抜けている」と指摘している。
そんな、「思想の自由」とかいうほど御大層な論点だろうか、と首をかしげてしまう。

豊明市の説明を引用しよう。

⇒「2時間について誤った情報が拡散しました。この「2時間以内」は余暇時間を対象とするもので、余暇時間は仕事や学習を除くのはもちろん、通勤通学時間等も除いた自由に使える時間帯です。また、あくまで2時間以内は目安にすぎず、睡眠時間や家族との会話等に支障がないのであれば、2時間が3時間、4時間になっても構わないと市は考えています。条例は何ら市民の皆様の権利を制限するものではなく、一律に1日2時間以内を市民の皆さんに求めることはありません」

市のコメントを読めば、結局のところ、この条例はほとんど何も制限していないし、市民の「思想の自由」に干渉するものでもないと思うのだが、、、
当ブログの感じ方がおかしいのだろうか。

この件に関して、少し前に記事を作成した時にも、記したことを繰り返したい。
こちらの推測にすぎないので、もしかしたら、的外れかもしれない。

さて、今回の条例は、市長や市議会の子育て世帯へのアピールではないだろうか。
同時に、地方自治体として、子供たちの健やかな成長を願ってのことなのではなかろうか(って、チョットきれいごとすぎたか?!)。

HP上には「条例の最大の目的は睡眠時間の確保」との項目があり、さらに「厚生労働省は小学生9~12時間、中・高生8~10時間、成人も6~8時間の睡眠時間確保を推奨しています。特に子供の場合には心身の成長に十分な睡眠時間が欠かせません。ですから、18歳未満のみ夜の使用を控えるべき時間の目安も条文化しているのです」としている。

このような説明は、スマホ依存の子供を持つ親にとっては「我が意を得たり」の感を与えるのではないか。
ネット上では反対派の声が大きいようだが、条例成立前に「スマホ依存は問題。条例化を進めてほしい」との肯定的な意見も寄せられていたそうだ。

ひきこもりの児童がゲーム高額課金で親に多大な負担を与えたり、中高生がSNS経由で詐欺や犯罪に巻き込まれたり、、、
利用目的次第ではメリットの大きいスマホやタブレット使用は、一方で様々なデメリットやトラブルを利用者にもたらす。

成人は自己責任でよい。
勝手に、犯罪者の片棒を担いだり、ゲーム課金で貯蓄を使い果たせばいいし、出会い系サイトで詐欺に合ったり、大金を貢いだりすればいい。
じゃんじゃん、お気に召すまま、欲望の赴くままに、スマホ中心の生活を送ればいい。

しかし、子供は国の宝である、とりわけ、じりじりと少子化が進む日本においては。
そして、児童や生徒は心身ともに未発達であり、未成年であるから、親の適切な干渉・保護があってしかるべきであろう。
その点からすれば、今回のスマホ条例は、大人からは「大きなお世話」と映るだろうが、スマホと子供の距離感を警戒している保護者からすれば「渡りに船」となったのかもしれない。

そもそも、市長にしろ市会議員にしろ、市民や後援会の声を意識しながら、政策をたてるはずだ。
条例案を提出するにあたっては、一部の有権者から「スマホ適性使用条例」をつくって欲しいという意見が上がったからではないのか。

もし、圧倒的に反対派の数が多いのならば、次の選挙のことを考えて、反対票を投じる市議の方が上回ったのでないだろうか。
まあ、以上はすべて、当ブログの勝手な想像にすぎないが。

ということで、当ブログには豊明市のスマホ条例を批判する気持ちはほとんどない。
怒れるネット民の皆さん、お疲れ様でございます。

追記
愛知県や豊明市の事情や土地柄(?)については、明るい方ではない。
従って、本記事中に、思わぬ事実誤認があるかもしれない。
こちらの勘違い、見当違い等があれば、すみやかに訂正します。