室町時代ってホント落ち着かない時代というか、カオスというか、、、

観応の擾乱、明徳の乱、応永の乱、永享の乱、嘉吉の変、応仁の乱、、、、
主な「乱」や「変」を挙げただけでも、その数は少なくない。
それに加えて、数々の大規模一揆も頻発した。
ホント、室町時代とは落ち着かない時代だ。

鎌倉幕府が滅亡したのが1333年。
足利尊氏が光明天皇を擁立し、建武式目を制定したのが1336年で、征夷大将軍に就任したのが1338年。
従って、室町幕府成立年は1336年、または1338年とされる。
1573年、織田信長が足利15代将軍義昭を京都から追放した事実をもって、室町幕府の滅亡と見なすのが通説。

二百数十年続いた(?)室町幕府はゴタゴタの絶えない時代だったといえる。
まず、幕府スタート時には皇統が分裂していた。
南北朝の合体がなるのは、三代義満の時代で1392年のこと。

尊氏は両統迭立時代の北朝から征夷大将軍に任命されたにすぎない。
ハッキリ言って、中途半端な立場である。
当然、建前上は将軍であったものの、足利尊氏の治世は安定しない。
南朝の勢力は依然として健在であったし、幕府内部にも対立・抗争がおこる。

その最たる例は、尊氏の執事・高師直(こうのもろなお)と尊氏の弟・直義(ただよし)との間で起きた争乱である。
観応の擾乱と呼ばれるこの戦いは、1350年に始まり、両者の権力闘争から全国的な動乱へと拡大する。
この乱自体は1352年に尊氏が弟・直義を毒殺して、一応の終結をみるが、幕府内部分裂は1364年まで続く。

それにしても、当時の武士は身内同士で殺し合うのは朝飯前。
特に、源氏は、、、というのは偏見か?!
遡れば、頼朝は義経を滅ぼしているし、さらに平安末期の保元の乱では源為義・為朝が義朝と争っている。
ん、親兄弟・叔父甥の間で血を流すのは平氏も同じか。

1358年=足利尊氏死去・二代将軍は義詮(よしあきら)が就任
1359年=筑後川の戦い(南朝の勢力が九州で拡大する)
1361年=南朝方の征西将軍・懐良(かねよし)親王が大宰府を占拠
1364年=室町幕府の内部対立がようやく終息

幕府内の対立を解消しないままに尊氏は他界し、二代目を継いだのは超マイナーな義詮。
「義詮って誰?」と聞かれるほど無名な将軍で日本史の教科書にも登場していないのでは?!
まあ、三代目の義満が目立ちすぎるのか。
その義満にしても、1368年の将軍就任時が11歳であるから、当初は管領・細川頼之が補佐に付いていた。

従って、足利政権が軌道に乗るのは、義満が花の御所に移った1378年ごろからではないか。
翌1379年に、管領・細川頼之を罷免し、義満が将軍独裁体制を敷く。
室町幕府の実質的な始まりは、このあたりだと思うのだが、素人なりに。

三代義満は権勢を誇ったが、四代義持(よしもち)の時代になると守護大名たちが勢力を増してくる。
室町将軍の権威は揺らぎ、六代将軍義教(よしのり)にいたっては「くじ引き」で将軍に選ばれた。
情けないというか、ホント、室町幕府って力が無さすぎ!
また、1420年代から一揆が頻発する。

1428年=正長の土一揆
1429年=播磨の土一揆
1432年=徳政一揆、伊勢

*1441年=六代将軍義教が守護大名赤松満祐に暗殺される(嘉吉の乱)

1441年=嘉吉の徳政一揆
1447年=山城西岡の徳政一揆
1454年=享徳の徳政一揆
1457年=長禄の徳政一揆
(まだまだあるが、以下省略)

上記の嘉吉の乱が大きな節目であろう。
将軍暗殺によって、幕府の権威(元々、大したことなかったが)は地に落ちたようなもの。
一揆に歯止めはかからず、幕府は何度も徳政令を出した。

周知のように、一揆の暴徒は土倉・酒屋(=高利貸し業者)や寺院を襲撃しては、売買・質入れの文書を破り捨てたり、焼き払ったりした。
堂々と暴れまわって、借金を踏み倒す行為がまかり通った時代。
カオスというか、無法・無秩序の世界というか、群衆が動物的で野蛮な力を思うがままに行使した世の中であった。

そして、1467年に応仁の乱が勃発する。
その後は、言うまでもなく、幕府は有名無実の存在となり、下剋上の風潮が日本国中を覆っていく。
戦国時代の幕開けである。

こうしてみてみると、室町時代の安定期はつくづく短いと感じる。
ただ、この室町幕府の脆弱性は様々な興味深い副産物を生んでいき、日本文化に新しい彩りを与えた事実も否定できない。
一つだけ、例を挙げると、戦乱から逃れるために貴族や禅僧が地方に移ったことによって全国各地で文化が興ったことだ。

さらに、もう一点だけ追加すると、戦乱の世に生きる者は「弱肉強食」という非情な掟の中で切磋琢磨するため、人間の能力は自然に鍛えられて高まっていく。
群雄割拠の状況が、日本人の知力・体力・適応力・戦闘力などを飛躍的に向上させたからこそ、戦国時代末期の日本は世界最強の軍事力を誇り、宣教師を先兵としたキリスト教国家から独立を守ることができたのだ。

室町時代は落ち着きがなく、そのカオスっぷりも半端なかったものの、日本人を鍛え上げた特異な時期だったと捉えてもよさそうだ。
しかし、もし自分が室町の高利貸し業者で、一揆勢から証文を焼かれたらと想像すると、、、、、
常連の皆さん、あの時代にタイムスリップしてみたいとか思いますか?